馬油は昔から火傷の民間治療薬として使用されてきました。火傷の治療で最も重要なのは保湿です。ワセリンにも同じような効果が期待できますが、決定的な違いは浸透力にあります。ワセリンは肌に浸透せずに表面(角質 層)に蓋のような薄い皮膜を作る効果を持ちますので、これでもある程度の保湿可能です。一方で馬油は強力に肌に浸透していきます。これには3つの要因があります。
1.不飽和脂肪酸の含有率が高いこと
2.ヒト脂とほぼ同じ脂肪酸バランスであること
3.人の体温で融解すること
この3つの要因によって角質層まで浸透し、肌全体を深く保湿することが可能だと言われています。これによって肌が深部からうるおいます。

角質まで浸透し、肌内部から潤わせる効果があるとしても、自分はオイリー肌。保湿効果なんていらない。そう思っていらっしゃる方がとても多いのですが、実は違います。 ドライ肌もオイリー肌も、どちらも「肌の乾燥」が 原因だからです。ドライ肌の方は「乾燥して肌がカピカピ」になりますが、オイリー肌の方は「乾燥して肌がカピカピになる、のを防ぐために皮脂を過剰に分泌させている」と考えられるからです。そのため、馬油によって肌深部からしっかり保湿することで、ドライ肌の方もオイリー肌の方も肌トラブルが改善していくと言われています。

いくら馬油が万能だからと言っても単なる油。その油で抗菌？殺菌？だなんてにわかに信じられない効果ですが、これにもしっかり理由があります。身体に傷がつくと、そこから雑菌が侵入し、繁殖すると化膿して傷口が重症化していき ます。この重症化を防ぐことが大切なのですが、実は油には菌と結びつきやすい性質(捕菌効果)があります。 馬油のように肌の深い層まで達することが出来る油は、傷口から侵入した菌を肌の深いところまでキャッチします。結果、菌は油に囲まれ増殖のために必要な酸素を失い、死滅すると考えられています。昔から体操選手は練 習で向けた手の皮を馬油で治療した、という話も聞かれます。顔に塗布することでニキビなどにも高い効果があるのもうなずけますね。

これは「1」の浸透力、保湿力に起因するものですが、肌深部まで浸透した馬油によって深い層で保湿が進むことにより毛細血管の環境が改善。これにより血液循環が良くなり、肌全体の血行が改善すると考えられています。血流が促進されることで代謝と治癒力が高まり、傷の治癒効果をもたらすと言われています。顔にできたニキビやカミソリ負け、乾燥肌で荒れた肌などを素早く治療するには最適です。

色々効果があるとしても、やはり危険なものは使いたくないものです。似たような効果を持つワセリンなどは石油を原料とするものですので、いくら安全だと言われても不安が残ります。事実、「ワセリンは今の技術をもってしても、石油中の不純物質を十分に除去できない」ため、口にしたり直射日光に当てたりするとトラブルになると言われています。その点、馬油は違います。清潔な環境下で抽出された馬の油ですので、食用に出来るほどの安全性を持ちます。この安全性が、消費者に対して安心感を与えてくれるのが馬油の魅力です。